医療施設での仕事は責任が重く、精神的にハードなことが多いのが問題だ。医師だけではなく、看護師にまで重い責任を背負わせ過ぎている傾向にある。とくに夜勤の場合は病院に残っている看護師の数も少なく、一人一人の看護師の肩に幾人もの患者の命がのしかかっているのが現状だ。これをどうにかしない限りは、日本の医療の進歩はないものだと言えるだろう。あまりにもハード過ぎて、これから医療の現場を目指そうと考える若者が減ってしまうのだけは避けなければならない。
これらの問題を改善するためには、やはり現場で働く人間の数を増やす以外方法はないだろう。現在ではどこの病院も人手不足が激しく、国が率先して東南アジア諸国から日本で看護師として働いてくれる人を募っているほどである。しかし、海外からの人材に頼っているようではこの国の未来はないはずだ。国内には仕事がないと嘆く若者が数多く存在しているのだから、そういった人達の力を活用できるよう、制度作りを進めていかなければならない。たとえば専門学校の敷居をもっと低くするとか、国家試験対策は国が面倒を見るとか、奨学金制度を充実させてお金がなくても医療施設で働けるようにするなどの対策が強く求められているのである。医療現場にはいくら税金を注ぎ込んでも、国民の命を守る結果にしか繋がらないはずだ。医療費が膨大になっているからといって、診療報酬を削ったりするのは逆効果だと言わざるを得ない。